ローカルでのメール保管における、MailVaultとThunderbird
Thunderbirdは、現在手に入るオープンソースのメールクライアントの中でも、もっとも力のあるものの一つです。20年以上の歴史があり、アドオンに対応し、カレンダーを備え、メールをローカルに保存します。機能の充実したデスクトップのメールクライアントが欲しいなら、Thunderbirdは堅実な選択です。
しかし目的が長期の保管のためにメールをアーカイブすることに定まると、Thunderbirdの汎用の設計は、専用のアーカイブのツールなら避けられる取引を持ち込みます。メールのバックアップとローカルの保存について、両者を比べてみます。
機能の比較
| 機能 | Thunderbird | MailVault |
|---|---|---|
| 保存形式 | mbox(フォルダごとに1ファイル) | Maildir(メール1通につき.emlファイル1つ) |
| 一括アーカイブの手順 | 手作業 — ローカルフォルダへドラッグ | 専用 — 選んで、アーカイブして、進捗を追える |
| アーカイブ + サーバーから削除 | 組み込みの手順なし | 対応 — ローカルにアーカイブしてからサーバーで削除 |
| バックグラウンドのキャッシュ | 必要なときに同期 | 再試行を伴う並行の処理 |
| 破損のリスク | 高い — フォルダごとに1つのmboxファイル | 低い — メール1通につき1ファイル |
| メールの持ち運びやすさ | 書き出しかプロファイルのコピーが必要 | 標準の.emlファイル、どこへでもコピー可能 |
| 完全なメールクライアント | 対応 — 作成、カレンダー、アドオン | 基本的なもの — 閲覧、返信、作成 |
| アドオン / 拡張機能 | 大きなエコシステム | 非対応 |

保存形式という問題
これが最も大きな技術的な違いです。Thunderbirdはmboxを使います。フォルダの中のすべてのメールを1つのファイルにつなげる形式です。1万通のフォルダは1つの大きなファイルになります。ここには現実的な弱点があります。そのファイルが壊れると — 書き込み中のクラッシュ、ディスクのエラー、圧縮の中断などで — フォルダの全体を失いかねません。
MailVaultはMaildirを使い、それぞれのメールは独立した.emlファイルとして保存されます。1つのファイルが壊れても、影響を受けるのはその1通だけです。アーカイブの残りは無傷です。データの完全性が問われる長期のアーカイブには、Maildirのほうが安全な選択です。
持ち運びの点でも利点があります。.emlファイルは標準のRFC 5322のメッセージです。どのメールクライアントでも開け、別のメールに添付でき、ほかのシステムへ取り込めます。Thunderbirdのmboxのファイルから1通ずつ取り出すには、専用のツールが要ります。
アーカイブの手順
Thunderbirdでもメールをアーカイブできますが、その手順は手作業です。メッセージを選び、ローカルフォルダへ移し、mboxのファイルが無事であることを願うことになります。「これらのメールをローカルにアーカイブしてから、容量を空けるためにサーバーで削除する」という考え方は組み込まれていません。削除の段階は自分で、ローカルのコピーがまず完全であることを確かめながら、慎重に行う必要があります。
MailVaultは、まさにこの手順を中心に作られています。アーカイブしたいメールを選び、アーカイブをクリックして、進捗バーを見守るだけです。アーカイブが済めば、安心してサーバーから削除できます。バックグラウンドのキャッシュの仕組みが、アーカイブ完了とみなす前に(添付ファイルを含めて)メールが完全にダウンロードされていることを保証します。
Thunderbirdのほうが良い場合
メールクライアントとしては、ThunderbirdのほうがMailVaultよりずっと高機能です。カレンダーの連携、連絡先の管理、アドオン、メールのフィルター、複数の差出人への対応を備えた日常づかいの道具が必要なら、Thunderbirdのほうが強い選択肢です。拡張の仕組みにより、ほとんど何でも自分好みにできます。メールのすべてを1つのアプリケーションでまかないたい上級者には、Thunderbirdに並ぶものはなかなかありません。
MailVaultのほうが良い場合
- アーカイブに専念していること: 古いメールをアーカイブしてサーバーの容量を空けることが目的なら、目的に合わせて作られたMailVaultの流れのほうが、Thunderbirdの手作業より速く、安全です。
- データの安全: Maildirの形式は、mboxのファイルに付きまとう単一障害点の危険をなくします。
- 簡潔さ: MailVaultは目的の絞られたツールです。メールをアーカイブするためだけに、複雑なメールクライアントを覚える必要はありません。
- サーバーの整理: アーカイブしてから削除する流れは、手作業の複数の段取りではなく、中心にある機能です。
うまく併用できます
MailVaultは、日々のメールクライアントとしてThunderbirdを置き換えようとはしていません。多くの人は、普段のメールにはThunderbird(やほかのクライアント)を使い、古いメッセージをアーカイブしたいとき、サーバーの容量を整理したいとき、持ち運べるバックアップを作りたいときにMailVaultを使っています。2つのツールは目的が違い、互いを補い合います。
アーカイブを始める
MailVaultは無料で、どのIMAPのメールアカウントでも使えます。数分で設定し、古いメールをアーカイブして、サーバーの容量を取り戻しましょう。
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